僕はあの日君を

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僕はあの日君を

 僕はあの日君を捨てた。  同時に僕自身も捨てた。  あの日僕は君を捨て、本当の僕を生きることを諦めた。  君を最初に見た時『あぁ、かわいいなぁ』って思った。君は特別目をひくような感じじゃない。でも地味でもない。強いて言えば「普通」。君は普通に可愛かった。  「普通」、僕にとっての「普通」は「特別」。僕の生きる世界には「普通」なんて存在しないから。  孤独や涙を隠してくれる色とりどりの灯りが充満する夜の街。それが僕の世界。そこに生きる僕にとって、君の「普通」は特別だった。君は僕が生きる世界が引っくり返るくらい可愛かった。  僕は君に恋をした。
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