作家の恋

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「そうだよ、やっと会えると思って、俺……」  ようやく聞こえる声でつぶやく真梧。脚を開き、勇の武骨な指を最奥へと誘う。 「俺がなかなか来ないから、自分で慰めてたか?」  真梧は否定も肯定もしない。そこはすでに適度にしめってするりと勇の指を受け入れ、言うまでもないことだった。 「お前は自分でする時、いつも後ろもいじるのか」  勇は意地悪い笑みで訊いた。  あわてて小さく首を横に振る真梧。 「この部屋の、このベッドだからだと思う……」  深くため息をつき、真梧は勇の指をさらに奥へといざなうように腰を動かす。  恥ずかしげに顔をそむけ、素直でつつましい告白。 「そうか、楽しみは残してもらいたかったな」  しかし思いを顔に出さず、勇は深々と真梧の中へ指を埋め、動かした。 「っ、や、あ……っ!」  真梧の背中が反り、指先が力強く勇の肩をつかむ。 「いきなり深いのはキツかったか?」  ふるふるとかすかに真梧が首を振る。 「勇さんの指、すげえいい」  はにかんだ笑み。甘くかすれた声。うるんだ瞳。真梧は自分の豊潤な色気を知らない。無意識だからこそ、いい。 「お前は指の方がいいんだもんな」  開かれた脚の間をまさぐりながら、勇は真梧から少し身体を離し、その表情を視姦する。 「俺を見てろ」  目尻に涙がたまり、朝露のようだ。血色のいい唇が半開きになって、なにか訴えたそうにしている。そんな表情の下、快楽に貪欲なそこは別の生き物のようにうごめいて勇の指を締めつける。 「気持ちいいか?」  真梧は身体をしなやかにくねらせ、ため息で答えた。 「ちゃんと言葉で言え」  勇がそう言うと、真梧はいきなり勇に抱きついた。 「もっと激しくしてよ。こうして勇さんが興奮してくれるのを感じたい」  ぴたりと身体を密着させ、真梧はまた勇のそれをそっと握った。 「ねえ、早く」 「興奮を感じたいなら、しゃぶれよ」  本当にこの男が、静謐で清澄な、限りなく美しい文章を書いているのだろうか。勇はそう思うだけで、興奮してくる。  だがそれを、真梧には気づかせない。気づかせたくない。  真梧は静かな笑みを浮かべ、身体を下へとずらして愛しそうに勇のそれを両手で包んだ。ゆっくりと、しかしためらいなく先端を口に含む。  深々とため息をついて、勇は真梧の髪をなでた。さっきよりもはるかに強烈な刺激。真梧の舌が的確に感じるポイントを責めてくる。 「ああ、いいな……」
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