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その日の帰り道はサチと一緒に帰った。 もうすっかり冬になったんだ、そう感じさせるような空気の匂いだ。 ふと、サチが口を開いた。 「ねえアイ、アイはさ今年のクリスマスは何か予定決めてるの?」 「ううん、まだなにも。サチはもう決めてるの?」 「いや、まだなんだけど…予定ないならさ、うちでケーキ食べながら映画でも見ない?」 「なにそれ!すごく楽しそう!」 私が目を輝かせて賛同すると、それを見た彼女はなんだか嬉しそうに微笑んだ。 「あ、それならせっかくだしミカも誘おうよ。」 私がサチに提案するとサチは一瞬むっとした顔をした。 「アイ、最近ミカと仲いいよね。」 「うん?よく話してはいるね。気兼ねなく話せるから楽なんだ。」 私の言葉にサチは立ち止まった。 「サチ?」 「アイはさ、私と話していて楽しい?」 サチがなぜそんなことを考えたのか、私にはわからなかった。 「もちろん。サチとお話しするのもこうして一緒に帰るのも楽しいよ。」 サチはうつむいて黙っていた。 「サチ?」 覗き込んだ顔がいつもより赤かったのは外気の冷たさのせいなのか、ほかに理由があったのか。それはわからない。ただ彼女はぽつりとつぶやいた。 「ああ本当、アイちゃんは悪い女だよ。」 サチは困ったように笑いながら私の鼻をきゅっとつまんだ。
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