二万字の道のり

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「おい、お前!人外って何か知っとるか?」 「人外だよ、人外!」 「そうじゃないそうじゃ~。分かっとらんな~。人外だよ、人外!そう、そう、そう!人外!」 「あまりよく知らないならオメーに教えてやるよ。人外っていうのはなー。基本的には人以外のものの総称ではあるものの、タンスを指してあれは人外だって言うのはやっぱりおかしい。やはり人外っていうのは人であるような部分もあるけれども人ならざるものを人外と、まさにそう呼ぶのが相応しいのではないかと、わてなんかはほんまそう思いますなー」 「例えば虫やカエルに向かってこれ人外だよって言ってもそりゃ当たりめーだよってなるし、牛や馬に言ったとしてもそりゃ当たりめーだよって話になるに決まってるだろう?絶対、そうなるに決まってるだろう?」 「かといって、妖怪の方々に呼びつけておめーさん人外かい? って仮に言っても、妖怪だよ何かようかい(・・・・)ってなるって言うのが昔からの習わしというか伝統的風習でー。ただそれだとどうしても、河童や天狗でさえも人外に含まれなくなるじゃねーか?ってそのようなことになるのが厄介な話ではありますけど、それはまあ捉え方の問題と申しましょうか何と申しましょうか……。」 「それじゃー結局、お前は人外が何だと思ってるのかって?話になると思うんですが、わてが思うにそれは二足歩行のUMAってところがほぼほぼ正しい解釈なんちゃうかなーと、わてなんかは強くそう思いますねー」 「そう思うんですが、ところがそれだとなかなかややこしい難しい問題も実はございまして、ややこしい話ではあるんですがー、知的レベルがどうだのこうだのとかね。そういう話になりやすいというところなんですね。例えばね、例えば、タコ足の宇宙人を見つけたとしましょうか?タコ足の宇宙人ね。それで、タコ足の宇宙人を見つけた時にあっ人外だ!!ってなったとしてたら、タコ足の宇宙人だよ!このタコー!!ってなるのが相場ってもんでしょう?ほんまにそう思いません?お客さんどうせ笑うんやったらもっとはっきり笑て下さいよー。顔だけ見て笑たらアカンよ?それに関しては本当に傷つくし、失礼やからねー?ちゃんと笑いどころで笑て下さいよ!たまに関係ないところで笑うお客さんでいて、この人、何で笑ってるのか?逆に不安になる時ありますから!」
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