いつもの昼下がり_の、ハズだった。

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かぶりつきてぇ! めっちゃかぶりつきてぇ!   今、直ぐにでも、かぶりつきてぇ!   いったいどうしたってぇんだ? 急に旨そうに見えてきた。 良い匂いもする。   こいつのうなじ、何でこんなに旨そうなんだよ。 しかも、男だぞ? 女なら…うん…解る。 男の狩猟本能だ。 ああ。でも、狼が兎を襲う時って、相手が雄だろうが雌だろうが、カンケーねぇもんな。  腹減ってんだから、んな事言ってらんねぇ。 さっきから、旨そうな匂いを放ってる、こいつのうなじが悪い。 「オイ!聞いてんのかよ。」 「ぇ…?」 「ったく。やっぱ、聞いてなかったのか。この後、どうする?て、話。」 「ああ…。」 んな事より、どうか、かぶりついて下さい_と、言われてるような綺麗なうなじ。 こいつのうなじって、こんなに細くて白かったんだな…。 ウズウズする。 ああっ、クソッ!抑えきれねぇ! こいつの事だから、頼んでも、あっさり冗談っぽく、受け入れてくれるかもな。 「だから、お前は、どこ行きたいんだよ?」 「なあ?お前のうなじに、かぶりついていい?」 「…は?……べ、別に…いいけど?」 なっ?!おまっ?!何、赤くなってんだよ? その反応、反則だろぉぉぉ!!! 「ほら、行くぞ。」 と、ちょっと俯き加減に袖を引っ張るこいつ。 「何処に?」 「……オレの部屋。嫌か?」 「ぃ、ぃい行くぞ!お前の気が変わらねぇうちに早く!」 「…馬鹿。変わらないよ。何年ものだと思ってんだ…?」 Fin
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