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櫓の上の女子衆は、合図の鳴り物に合わせてたすきをかけて裾を端折ょり、脚も腕も出す。
夕闇のかがり火に浮かび上がる肩まで出した腕と膝近くまで出た若い娘の白い肌
暑さで不満がつのっていた一同は、若い者は野獣と化し、年配も若返り獣と化した。
会場を飛び出し、我先に近寄ろうとするが、柵に阻まれてそこから先に進めない。
下から見上げ端折った着物の奥が、ちらちらと見えそうで見えないので、どんどん興奮状態となる男どもをしり目に、女子衆は楽しそうに踊りはじめる。
ピーヒャラピーヒャラドンドコドン
ピーヒャラピーヒャラドンドコドン
二段に組まれた櫓の上の段で笛と太鼓とが鳴る。
それに合わせて女子衆が下の段で輪になって踊る。
さらにその下の地面は柵で囲まれ、それに阻まれた侍達が柵に沿って、見えるところは無いかと輪になっていく。
ピーヒャラピーヒャラドンドコドン
ピーヒャラピーヒャラドンドコドン
どこからどう入ったのか、いつの間にか さくら姫も女子衆と一緒になって踊っている。
女子衆の動きに合わせて雄叫びをあげ続ける侍達の熱気は次第に上がり、一刻後には最高潮に達した。
その時である。
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