雨乞い

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ポッ ポツポツ ポツポツポツポツ ザーザーザーザーザーザー 「雨だ」「雨よ」「雨だわ」  踊りに夢中だった女子衆も、女子衆に夢中だった侍達も、待ちに待った雨に心を奪われた。 皆が雨のなか濡れながら喜び勇んでいると、 「皆のもの雨乞いは成ったぞ、よくやった。さあ、片付けるぞ」 さくら姫の声に女子衆は笛太鼓等を持ちながら参の曲輪の建物に入っていき、それを見送った侍達も名残惜しみながら大広間に戻っていった。 「さあさ、皆着替えて身だしなみをととのえなさい。姫様は私が世話しますから、皆は自分のことをして、それから仕事に戻りなさい」 参の曲輪で待っていたみなづきの言葉に、女子衆は、はいと返事した後、それぞれ着替えの仕度にはいった。 「うまくいったの」 「こっちはヒヤヒヤしていましたよ。降らなかったらどうするつもりでしたの」 「村の古老から、かならず降る雨乞いのやり方を教えてもらってたからの。まあ大丈夫だと思っていたんじゃ」 「そんなやり方があるの」 「まあな。かんたんじゃ、降るまで踊り続けるだけじゃ」 さくら姫は事も無げに返事をした。
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