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人間は一人一人が定められた時間を貰って現世に生きてる。 現世に産まれた全ての者には、寿命という形で生まれながらにタイムリミットが定められている。人によってその時間の長さはバラバラで、極端に短い寿命に産まれてしまった者もいれば、とても長い時間を持ったて産まれた者もいる。人は普段、自分の時間についてそれほど深く考えたりはしないだろう。自分が今生きているのは当然のことで、時間が有限であるということを忘れている。 当たり前だ、常にそんなことを考えているようじゃ、生きていくのに窮屈すぎる。忘れているくらいの方が丁度良いときだってある。 だけど、人は自分の身近な人物が死んでしまったときに、時間とは何か、死とは何かを考える。 時間の尽きてしまった人物の写真や、亡骸を見つめ、その人物が生前にどんな人物だったかを思い出す。生きていたときに何を成したかを考える。 そして人は、身近な死によって、自分の時間について考え、その時間の意味を考える。 自分に残された時間はあとどれくらいか。その時間を肥やす方法はないか、そもそも、なぜこの世に産まれてしまったのかと。 自分は残った時間の中で、何をしようか、何を成したいのか。     
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