3112人が本棚に入れています
本棚に追加
「いや、いや。やめて……陛下っ! もう、ゆるし、て……」
名前を呼べば、そこで終わりだ。
きっとただのオリアーナという女になってしまう。だから彼女は決して、彼の名を呼ばす、拒否の言葉を口にし続ける。
「強情な」
オリアーナの「やめて」という懇願を聞き入れた、というつもりなのだろうか。激しい突き上げが一旦止まる。
ゆっくり、ゆっくり、労るような優しさで敏感な内部を探られる。時々イザークの熱い吐息を感じた。
気持ちがいいのにどこか物足りなくて、オリアーナはおかしくなりそうだった。目の前がぼんやりとしてきて、意識はあるのに夢を見ているようだった。
もどかしさに支配され、もっとよくなりたくて仕方がない。もうどうなってもいいと叫んでしまいそうになる。
「あっ、ん……あぁ、はぁっん、やっ……」
「嫌だというわりには、腰が揺れているな?」
彼の指摘で、彼女はなにをしてしまったかを自覚した。羞恥心で耳まで真っ赤になっても、もっと快感を得たいと欲する動きは止まらない。彼のゆるやかな動きに合わせて、進んで腰を上下に動かしていたのだ。
「ぁっ……ふ、んっ……んっ、こんなの、嫌なのにっ……あぁっ、どうしてっ」
「……くっ、最高に淫らで美しいな。褒美が必要か?」
最初のコメントを投稿しよう!