招かれざる使者(3)

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 部屋に閉じ込められたオリアーナは、一日中ソファに座ったまま、ぼんやりとして過ごしていた。  見かねた侍女から刺繍をすることを勧められて、久しぶりに刺繍針を手に取った。  けれど、しばらく針を刺しているうちに、シスターたちを思い出して、涙が溢れそうになってしまう。  大神殿にいた頃は、神に捧げるための刺繍を皆でするのが日課だった。  いつも他愛もないおしゃべりをしながら、作業していたときのことが頭に浮かび、彼女たちが心配で仕方がなかった。  グレイアムがあのとき、大神殿のシスターたちについて言及したのは、彼女たちがジェフリーズ家の管理下にあるのだという脅しではないのか。それを考え出すと途端に手が止まり、なにもできなくなってしまうのだ。  侍女の次はカーヤが、甘いお菓子や紅茶を持ってきてオリアーナを励まそうとした。  オリアーナとしてはそれを笑顔で受け取っているつもりだが、カーヤの表情は曇ったままだ。皆に心配をかけていることがわかっているのに、心はどうにもならない。  運ばれてくるお菓子にすらあまり手をつけない状況が続き、いつの間にか夕日の沈む時刻になっていた。  ダイニングルームには、一人分の食事が用意された。イザークはここへはこないということだ。     
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