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河川敷を歩いている時、コツンと何かを蹴っ飛ばした。「ん?」と、蹴っ飛ばしたものを見る。
銀色の四角い物体。
僕はそれを拾う。一緒に歩いていた彼女が「何それ?」と僕の手元を覗き込んだ。
手のひらより一回りほど大きいサイズで、厚みはニ、三センチぐらいだろうか。真ん中に液晶画面が付いており、その下にはボタンが三つ並んでいる。左のボタンから『H』『2』『O』の文字。他にボタンはない。
僕は三つのボタンを出鱈目にポチポチと押してみた。液晶画面は暗いままで、何も起こらない。
「んー。何かな? これ」
銀色の物体を彼女に手渡すと、彼女も三つのボタンを出鱈目にポチポチと押して「何だろうね?」と首を捻った。
「スマホでもタブレットでもなさそうだな。新種か旧式のゲーム機、ってところかな?」
「これ、電源なさそうだよ? 十字キーとかもないし。それに『H』、『2』、『O』って何よ。ゲーム機だったら、普通『A』とか『B』とかじゃない?」
「うーん。『H』、『2』、『O』なぁ……二酸化炭素? あ、それはCO2か。あれ? H2Oって何だっけ? エッチな兄さんオッサン化?」
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