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「おいおい、川に捨てるなよー。不法投棄だぞ」
「同じH2Oだから問題ないって。男のくせに細かいこと言わないの!」
「そういう問題かよ!」
「そもそも、あんたがあんなの拾うからでしょー」
「悪かったな!」
結局、銀色の物体が何だったのかは不明のままである。
H2Oだから、きっと水の中に還れて喜んでいるだろう。川にとったら単なるゴミ以外の何物でもないけど。
あ、もしかすると「川にゴミを捨てるな!」という事だったのかな?
あの物体は、川を守る正義のロボット・エイチツーオーを操縦するためのコントローラーだったのだ! 彼女の顔が上気していたのは、選ばれし操縦者だったからなのだ!
なんてね。やれやれ、我ながら妄想が幼稚すぎるな。
この時、川底で銀色の物体の液晶画面に数字が表示されていた事など、僕たちには知る由もなかった。
おそらく、この時点で終末へのカウントダウンが始まっていたのだ。
あながち、僕の幼稚な妄想もハズレではなかったのかもしれない。
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