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家族は捨てられないが、家を飛び出したあの日、俺しか写っていないアルバムを捨てた。
そんなことで過去を捨てられる訳でもないのに、俺はあれをゴミ置き場に捨てた。
高校三年生の最後のテストが終わっても俺は進学も就職も決めていない。
卒業したらフリーターになるつもりだ。
そのことを龍介に話すと龍介は仕方ないなといった感じで笑う。
「奏太、ずっと人間的になったよ。俺は嫌いじゃないよ」
「うん。俺もそう思う」
ちゃんと夢を探そう。両親が口も挟めない夢を。
龍介がいるからきっと出来るよ。
了
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