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「そうなんだ」
俺は龍介から離れる。俺の背から龍介が何か言っていたようだが、俺は振り返らなかった。
それから両親とも溝が出来たように感じる。そんな俺を気遣い、龍介が色々と遊びに誘ってくれる。俺が興味を持てそうなものを一緒に探してくれる。
その龍介の気遣いは嬉しい。
何をするべきか?それをしっかりと胸に持っている龍介は根気よく付き合ってくれる。
これだというものは三年生になっても見つけられなかったが、龍介が付き合ってくれるから、そう遠くない日に見つけられるだろう。
「最近どうしたの?遊んでばかりいて」
母が夕飯のときに心配そうな顔で俺を見つめる。
「勉強していないのか?」
父が険しい顔をする。
「夢を探しているんだよ」
俺の言葉に父がバンっと机を叩いた。
「くだらないことをしている暇があったら勉強しろ!俺が夢を捨てたから、お前は裕福な暮らしをしているんだぞ!」
つい頭に血が昇る。
「なんで夢を持っちゃいけないんだよ!やりたいことをやったほうがずっと裕福だ!お金だけあったって、子供に夢を持たせないような大人にはなりたくないんだよ!」
「出てけ!」
「ああ!分かったよ!」
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