あの日捨てたアルバムは二度と戻らない

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俺はそのまま家を飛び出し、龍介の家に向かう。 夜遅くとも龍介は迎え入れてくれた。 「家出してきた」 俺の一言にそうかと頷いて、龍介は龍介の両親に説明をする。 「奏太をここに置いてやれない?」 龍介はそんな言葉を吐いていたが、そんな世話にはなれないと思った。 「構わないよ。奏太くん、大変だったね」 「え?」 龍介の父は間違いなくそう言った。 「しばらく、ここにいなさい。ちゃんと考えがまとまるまでね。たまに私らも頼ってくれていいんだよ」 「ありがとうございます」 それは高校最後のテストのときまで続いたが、俺の両親が俺を連れ戻しに来ることはなかった。 龍介の両親に世話になりっぱなしもいけないと高校三年生でありなから龍介と一緒にコンビニのバイトもはじめた。 龍介の父も母も優しく気遣ってくれる。 最後のテストの結果を見た日、龍介がこんなことを言った。 「どうして、奏太はやりたいことが見つからないんだ?」 その答えは分かっている。 「俺は……、やっぱり父さんと母さんに認められて欲しいんだと思うんだよ。夢をさ。ちゃんと話し合えるようになるまでコンビニバイト頑張るよ。春にはアパート借りるからもう少しよろしくな」
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