1 元カレVS今カレ 第一ラウンド

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 そして何よりの瀬田との違いは、その自分の見た目を踏まえた上であろう傍若無人な、つまり俺様な態度だった。 それが又、ピッタリとハマっていた。憎たらしい程に。  ついさっきまでの、二人のやり取りを思い出さないようにするのは一苦労だったが、秋川はヨシトにではなく瀬田へと向かって、努めて平らかに話し始めた。 用ならある!と心の中でそう宣言して。 「瀬田さん、此処にいたんですね。デザイン部に行ったらいなかったもので。出張の経費申請の締め切り、今日までなんで早く提出してください」 「え?あの・・・」 「午後一で出してもらえないと、処理が間に合わないんです。書類用意してありますか?」 「え、それはその・・・」  当たり前だが、何のことだか全く分からずに口ごもる瀬田の返事など待たずに、秋川はその腕を取った。 その秋川の肩を、伸びてきたヨシトの手が掴む。 「後でいいだろ、そんなの。他の奴にでもやらせろよ」  おれはこいつと、もっと別のことがやりたいんだよ。と言わんばかりの口調のヨシトを見つめる為には、秋川は心持ち視線を上げなければならなかった。  そんな些細な事すらも、秋川の(かん)に障った。 「瀬田さん本人でないとダメなんです。そういう決まりですから」     
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