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2 ギフト
さすがの瀬田も観念したのか、覚悟を決めたらしい。
その日の夜、十二時少し前に帰宅した瀬田は、居間にいる秋川の姿を見付けて先ずはキチンと、
「慎一さん、ただいま」
と帰宅の挨拶をした。
秋川が少しだけ笑って応じる。
「おかえり。晴季」
それ以上は何も言わずに麦茶を飲む秋川へと、瀬田は表情を改めて話し掛けてきた。
「あの、今日はありがとうございました。助かりました。それで聞いてもらいたい話があるんですけれども、今、いいですか?」
「あぁ、もちろん。もう少し遅かったら、寝るところだった。先に着替えてこいよ」
秋川がそう促すと、瀬田はうなずいて一度、自分の部屋へと引き上げていった。
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