2 ギフト

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 秋川とキチンと話し合ったことはないが、もしも自分が本気でそうしたいと伝えたのならば、秋川も又本気で考え悩み、結局は許してくれるだろうと瀬田は思う。 だからこそ尚更、秋川を巻き込みたくはなかった。  手に入れた幸せを、秋川を何が何でも失いたくはなかった。傷付けたくなかった。 大切にしたかった。守りたかった。  そして、その為にだったら何でも出来る。したい。と思った。 しかし、 「おれは嫌だ」 「え?」 「おれは嫌だよ。晴季。過去のことはどうすることも出来ないけど、今のおまえがあいつに撮られるのは嫌だ。許せない。今、おまえと付き合っているのはおれだろう?」 瀬田の幸せそのものである秋川は、真っ直ぐと瀬田を見つめてハッキリと言った。  瀬田の気持ちを考えて、努めて抑えていたであろう考えを、感情を露わにする。 「おまえの話を聞いた限りでは、あいつはおまえに未練があって寄りを戻そうとしているわけじゃない。ただただ自分の作品のことしか考えていないと思う。でも、そんなのは作品と呼んでいいものなのか?付き合っていた時に撮った写真なんて、プロアマ問わず、二人だけの愛のメモリーってヤツじゃないのか?松崎しげるだってきっと、怒ると思う」  自分で自分の言葉に焚き付けられ煽られて、しかも怒りが思いも寄らない方向に行くのが分かったが、秋川には止められなかった。    
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