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瀬田君ってば顔だけでじゃなくて、背が高くてスタイルもいいし、その上、同期と秋川君との話からだと性格もよさそうじゃない?言うことナシよね。それに引き替え、デザ部の連中ときたらどいつもこいつも、少しは自分たちのデザインにも気ぃ使えよ!ってレベルだもの。まさに、掃き溜めに鶴が舞い降りた如しだわ」
「・・・・・・」
もしもーし、同期って友達ではないんですか?それを掃き溜め呼ばわりって、一体・・・
秋川は石サバの徹頭徹尾なまでの客観視っぷりに、心の底から震えあがった。
自分も、陰ではどんな風に言われているかわかったものではない。と恐れおののく。
秋川の沈黙をどう受け取ったのか、石サバは思い遣るように、心持ち優しげに言った。
「やっぱり、先輩兼ルームメイトとしては心配よね?だって、強く迫られたら嫌だとは言えないだろうし。オールヌードばっかりじゃないけど、結構きわどい作風の人だから」
「ヌード・・」
瀬田のだったらそれこそ、週に二、三回は見ている。
秋川自身が余りジロジロと見られるのは嫌と言おうか、恥ずかしいのでそうはしないが、瀬田は実にきれいな体をしていると思う。
一言で表すとしたら、しなやかな、だった。
瀬田と付き合うまでは、男の体など気にも留めたことがなかった秋川だったが、そういう人間から見れば堪らないだろう。と秋川は考える。
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