第一章 火の国の火祭り 

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洞穴にある 神聖な何かの儀式を行うような祭壇の前にいる そのなんとも高貴な雰囲気を纏った女官が 水の国のメジカ皇女に笑みを浮かべています ふと 「こちらは何方なのか? 火の国の神官?」と シリウ メジカに 少しだけ困惑顔を見せれば 逆に その神官らしき女性から 「メジカ様 こちらの方は何方でしょうか?」と 質問をされて メジカ 「そうですね ご紹介いたします こちらは 牙狼族長ダイリウが長子 シリウ殿です」とシリウをその女官に紹介したので シリウ 自ら 「私は 牙狼族の長ダイリウの息子のシリウと申します メジカ こちらは?」 と言いかけたそのとき その女官が シリウの顔 黒い大きな眼で直視しては「おお 確かに ダイリウ殿に似ておるのぉ そうそう 私は 火の国の女王 徐妃である よろしくお願いします シリウさん」と 言われた シリウ 吃驚仰天 この国の女王にこうして会うのは初めてだし 先程 水の国の皇女に出会ったばかりだと言うのに まさか こんなかたちで 今度は 最高支配者である 火の国の女王 徐妃に会うとは まさに青天の霹靂 メジカ すました顔で シリウを見ては 「あたしは 徐妃様と友人なんですよ」と 言われて 呆れた顔のシリウ なんか この場違いな雰囲気に圧倒されるも 少し 年上の美しくも気高き女王 徐妃が「シリウさんも 私と友人になってくださいね」と言われて 「はい わかりました」と答えるのがやっとの状態(笑) 「ここでは そんな畏まらなくていいのよ シリウさん」と 横のメジカに言われて  「はぁ それで 僕になんのご用が?」と言えば 「私は 他の世界を何も知らないのです それで 月に一度 こうしてメジカさんと会っていろいろ伺っていたのです よろしければ シリウさん あなたも 牙狼族のことやら 他の世界のこと教えてくださいませんか?」と 「はあ そんなことなら いくらでも 我々 牙狼族は朝早くから 草原で狩りをして。水の国や火の国と交易しては」とまとまりのない話をするのを メジカに呆れられたりだが 徐妃女王は 嬉しそうに聞き入ってくれて
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