第一章 火の国の火祭り 

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息子シリウにも迫る山の民の兵士らしきものたち 動揺したダイリウ  ガガと組むのをほどいて 指笛を ピーー と吹いては シリウに危機を知らせるも そのすきをついた ガガ  ダイリウを羽交い締めにして ずりずりずりっと  場外へと送りながら最後は投げつけました 投げられながらも ダイリウ なんとか体勢を整えて舞台からの落下は逃れるも また ガガに胴廻りを掴まれて ぎゅーぎゅーと 恐ろしい力で 締め上げられています 一方 見物席で見ていた シリウ すぐに 近くの水の国の皇子が 山の民のギギに襲われてるのを目撃して 自分にも迫る兵士を無視して 一気に 水の国の皇子のもとへ走り抜けて 皇子が抱きかかえられようとするのを ギギの腕に 足蹴りをお見舞いして  阻みます 「きさま 邪魔するな」 「お前こそ 何やってるんだぁ!」と大声を張り上げて 一瞬のすきをついて 水の国の皇子の腕を掴みシリウ 走りだしました 後を追う ギギと兵士たち 観覧席の裏側へと 回っては なんとか逃げ出せたと ほっとしたのもつかの間 目の前に いきなり ギギ出現 「逃がすもんかよぉ がはは」 シリウ 水の国の皇子に 耳打ちしては ギギへと突進 まさか 向かって来るとは思わなかった ギギ 一瞬戸惑うも 兄と同じような巨体のギギには そんな奇襲は通じず シリウ 捕まえられてしまいました。 が その時 いきなり 笛の音が  ピーーと 高らかに 鳴り響いて そうです 水の国の皇子に渡した笛を 吹きならしたのです これに 慌てた ギギ 一瞬のすきをつかれて 噛みつかれて シリウに逃げられます 怒りに身を任せて シリウに躍りかかろうとするも 今の笛で 誰かがこちらへ向かって来るのに気がついて ギギと山の民の兵士 撤収しました
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