1.初冬の雨の夜に家出少女を連れ帰った

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いつもここで弁当を買うが、遅い時間だと人気のないものが売れ残っている。店のオーナーがアパートのオーナーでもあるので、弁当を値引きしてもらう。 今日は残っていた弁当を2個買ったら、2割引いてくれた。学生時代はお金で苦労したので、倹約にはいつも心がけている。 部屋に入ると、すぐにエアコンのスイッチを入れる。誰もいなかった部屋は冷え冷えしている。お湯を沸かす。女の子が立ったままなのに気が付いてテーブルに座らせる。 「弁当食べる?」 女子は頷いたので、弁当を渡すとすぐに弁当を食べ始める。黙って食べている。よく見ると着ているものは雨で濡れているし、少し汚れもある。よくこの寒い季節にしかも雨降りの日にこんなものだけでいられるなと思ってみている。 お湯が沸いてきたので、お茶を入れてやる。お腹が空いていると見えてすっかりきれいに平らげた。 俺は冷蔵庫から缶ビールを取り出して飲みながら弁当を食べている。こちらも空腹なのですぐに平らげた。 そういえばカバンの中に今日会社で3時にもらったお菓子が入っていたのを思いだした。忙しくて食べている暇がなかった。探すとすぐに見つかった。 女の子に一つ渡す。もう一つの包みを開けて食べてみる。なかなかうまい。「おいしいから食べてみて」というと女の子も食べている。 「おいしい?」と聞いても、やはり頷くだけだ。食べ終わったが、間が持たない。女子をこの部屋に入れたのは、これが初めてだ。 立ち上がって椅子に座っている女の子の後ろから身体に腕を回して抱き締める。女の子は身体を固くして動かない。「いいんだね」と言うと、頷くだけで何も言わない。 抱き締めていると身体の匂いが気になる。少し汗くさいというか、不快な匂いもする。風呂に入れた方が良いなと思った。 「お風呂を用意するから入ろう。それからにしよう」 バスルームに行ってバスタブにお湯を入れる。満杯までに時間がかかるので、その間に奥の部屋のベッドを整える。寝相が悪いので大きめがいいと買ったセミダブルのベッド、こういうときには都合のいい大きさだ。
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