輝楽

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学祭一日目はあっという間に終了 メインは二日目で、校内を一般開放して食べ物を販売したり個人有志もあったりと盛り沢山 何より毎年評判が良いのは合唱らしい クラス一丸となり頑張る姿は聴いている人の感動を誘うとか 確かにどのクラスも練習に力が入ってるしなぁ 大きな失敗もなく怪我もなく無事終了し取り敢えず一安心だ そして、学祭二日目の最終日 事件が起きたーー… 俺たちのクラス、スイーツ喫茶は大盛況 その多大なる影響を与えている原因はこのホール担当をしている親友、叶多 やってきた客が滅茶苦茶イケメンがいると噂を広め、その噂を聞きつけた人たちが足を運び… その繰り返しでこの人だかりだ 廊下まで列ができてやがるぜ 全く本当に俺の親友はとんでもない… 常に満員なのでクラスの中は通路さえままならず、食べ物を運ぶ際も細心の注意を払いながら行っていた ぶつかったりして食べ物を落としたり、転んで怪我をしないかとハラハラしっぱなしで緊張状態が長く続いていた ようやく一番忙しい時間が過ぎ去ったのか客足が減り始め、緊張の糸が解け少し肩の力が抜けかけていた そんな時ーー 「きゃあっ」 クラスに響く突然の悲鳴に皆が皆振り向く 目を向けると、美月が転んでしまったのか尻もちを着いたように座り込んでいた 「大丈夫?」 近くにいた和歌が手を貸し立たせようとした時折、 「ーーいた、」 「どしたの?」 「わ、かんない…手首が、凄く痛くて」 「え…もしかして、転んで手着いた時…捻った?」 「…そうかも」 ーーザワつく教室内 ヒソヒソと聞こえる話し声 “美月ピアノ伴奏だよな…” “どうなんのうちら” 雰囲気が一気に悪くなる… 「立てる?」 申し訳なさそうに俯く美月に近寄り手を貸したのは、 「ーー叶多君…うん、」 「取り敢えず保健室行こう」 「あ、ありがとう」 美月を優しく立たせた 「アキラ。ちょっと抜けるから後頼んだ」 「お、おう。分かった」 「ーーあたしも行く」 教室を出ていく二人を和歌が追いかけ、美月を叶多の反対から支えて三人は保健室へと向かった
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