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「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁもぉーーーーーーーー疲れた、かも。抱いてよぉ、ソラン」
「3徹、1日休んで5徹、半日休んで5徹でついに頭がわいたか?疲れて倒れるくらいなら連続で徹夜なんかするなよ。ヤるよりもまず何か食べて休んで――ぼ、僕じゃなくてちゃんと固形物を食えっ!」
「めんどい。近くにいるお前さんが悪い、たぶん。いただきまぁーす」
「うっ!………………っ、ちょ…………飲み過ぎ、目が回る……っ」
吾輩、ドクトルはただいま食事中。ここ数日は研究所にこもって、ずっと、ずっと、ずぅーーーーっと研究しっぱなし!
何の研究かってぇ?そりゃあ、男が男に種付けされて妊娠できるようになるための薬の開発。
いや、珍しく吾輩がぐっすり熟睡していた夜中に電話がかかってきて。開口一番に「急ぎの頼みがあります。オスの擬人化種でも子供を授かる薬を作ってくれませんか?いや、作れ。今すぐによこせ、早く」なんて言われたんだよ。
男同士のカップル。一体何があったのか、真面目でカタブツな彼からそんなアホな命令が来るとはねぇ。
もちろん「んあ?そんなのできるわけないでしょうがぁ、たぶん」って通話を切ってやろうとしたんだけどさぁ。耳から離した瞬間に「なら教えてください。何回種付けすれば孕んでくれますか?」って声が。
もうほぼ無機質な、だけど確実に本気だとわかる恐ろしい凶器。震えたねぇ。笑いで。
あぁ、こいつ本気だわって。開発しないと、相手のネコが抱き殺されてしまうかも、と焦った。冷たい汗がこめかみを伝い落ちた。
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