生徒会の方が転校生の彼を気に入るまで

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「お前ら席につけー」 気だるげな声とともに、澤木先生が入ってまいりました。 どうやら、裕君と話をしているうちにHRの時間になっていたようです。 先生に座るように言われた生徒達は皆素直に席に着きます。 そしてそこに・・・ 「素直に言う事を聞いてくれるお前らが俺は好きだぜ?」 と、澤木先生がのたまうのです。 『 きゃあーーーーーーーー!!』 ここはライブ会場でしょうか? いいえ、ここは教室です。 実は澤木先生、本名を澤木巽というのですが、教師らしからぬ言動と行動、そして生徒達の反応というのがデフォルメの、なんとも面白い特徴を持った方なのです。 裕君によりますと澤木先生のような方をホスト教師と呼ぶそうなのですが、私それには大変感動致しました。 ピンポイント過ぎて正直澤木先生についての説明がそれ以外にいらないのです。 「気づいてる奴も居ると思うが今日からうちのクラスに入る転入生がいる。入っていいぞー」 先生のその一言に、転校生の存在に気づいていた方も気づいていなかった方も、イケメンかな?可愛いかな?と近くの人と話し出します。 えぇ、ここ男子校なのですけれどね。 そして教室前方のドアに集中する期待の視線。 ゆっくり……ではなく音がなるほど勢いよく開くドア……。 「榎本康太だ!よろしくな!」 一時の沈黙。 『 いやあーーーーーーーー!!』 「いよっしゃあーーーーー!!」 一斉に響く対局的な叫び声・・・。 闇鍋ピックアップに挑戦する猛者達の心の中を表すとちょうどこんな感じになるのではないでしょうか? ちなみに先日のピックアップで私は後者でした。 やったね千世さん大勝利。 さて、お気づきの方もいらっしゃるかとは思いますが、皆が悲痛な叫びをあげるなか歓喜の声をあげたのは裕君です。 彼が喜ぶということは、もしや王道転校生というやつだったのでしょうか? それにしては、何というか、裕君がいつも妄想でニヤニヤしているような人じゃないというか・・・黒もじゃ頭に瓶底メガネってネタですか?
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