生徒会の方が転校生の彼を気に入るまで

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「あそこの空いてる席に座れ」 「おう!」 大変元気でよろしいですね。 楽しみが共有できるような方であれば是非とも友人関係になってみたいものです。 転校生は澤木先生の指示通りに、例の廊下側奥の席に座ります。 彼が隣を通った瞬間に唇を噛み締めて悶絶していく方々は一体何があったのでしょうか? 「名前呼びなのか!?そうじゃないのか!?あぁー気になるー!!」 「うるせぇぞ小林!!」 裕君の頭に白いチョークが直撃しました。 ナイスコントロールです澤木先生! 私個人としては是非ともそのコントロール力を習得したいところです。 チョークがクリーンヒットした裕君はといいますとかなりの悶絶中です。 まぁ、チョークって固いですからね。 チョークチョーク言ってたら落書きがしたくなってきました。 今開くと怒られるので後で落書き用のノートを開くとしましょう。ノートと言ってもルーズリーフなんですけどね。ノートって真ん中が膨らんでしまうのでペン先が余計なところに走っちゃって。 「あーっと、そうだ佐々木、前野先生がお前に相談したいことがあるらしいから放課後生徒会室に来て欲しいんだと」 「生徒会室ですね、了解しました」 相談事とはなんでしょうか? 正直、私がお力になれる範囲は極々狭いものになるのであまりお役に立てるようには思えないのですが。 あぁ、ちなみに前野先生というのは生徒会顧問の先生です。 学園の教師の中で一番まともな人です。 というか普通に良い人です。 「とりあえず……まぁ、うちのは大丈夫だとは思うが問題を起こさないように今日もそれなりに楽しめよー」 そういうと澤木先生は教室を出ていきました。 澤木先生も中身は良い人ですからね。 服装が教師としてかなり問題なだけで。
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