小春日和

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『えーっ、啓太くん、 また反省文を書かされてるの~?』 『やっぱり啓太くんはダメな人なんだね』 …あの頃のことが走馬灯のように蘇る。 小学生の唯ちゃんに、 あれほど鼻で笑われていたはずの男が。 何故に今、澄ました顔をして その唯ちゃんと並んでいるのか。 ていうか、久々に見る唯ちゃん、 えげつない美人だし。 これならどこぞの社長とか、 もっとスゴイ男と結婚出来るはずなのに。 「雅さん、本当に唯ちゃんは アレが相手で良かったんでしょうか?」 「仕方ないわよねえ。 だって初恋だって言うんだもの」 はつ…こい…。 なんだその甘酸っぱいフレーズ!! 伝説の薄幸イケメンを実父にして、 スパダリの義父を毎日眺めて育った挙句、 選んだのがあのスーパールーズ男か?! 解せぬ、まったくもって解せぬ。 残念ながら雅さんはここで去って行き、 隣から祐奈さんがおずおずと口を出す。 「えと…でも、まあ西原さん。 さっきからコッソリ聞いていたら、 森嶋くん、若い女子達から評判いいよ」 「ええ、ええ、そうでしょうね。 もともと顔だけは整ってますもん」 >唯の旦那さん、カッコイイよねえ…。 >うん、しかも頼れそう~。 >以前、唯とあの旦那さんと >3人で食事したことあるんだけど、 >やることなすこと完璧なの~。 >んもう、理想の旦那さんって感じ!
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