小春日和

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ふ、良かったね。 許せるってさ。 なんか私は納得いかないけど、 本人同士がイイって言うんだから 仕方ないってもんだわ。 隣から祐奈さんが再び話し掛けて来た。 「結構、祝福ムードだね。 なんか私、もっと反対されるかと思った」 「ですよねー、 だってこの組み合わせは反則ですよ。 私が親だったら絶対に許さないけどなあ」 っていうかアイツ、 ちょっとだけ私とイイ感じだったのに。 その私を振って、あっちを選ぶとかさ、 いや、過去の話だからもう忘れよう。 「そう言えば石原さん…ああ、ごめん。 未だに旧姓で呼んじゃう。 確か似た名字の人と結婚したんだよね? それでゴチャゴチャになっちゃって…」 「ああ、はい、西原になりました」 「そうそう、西原さん! うふふ、やあねえ。もうトシをとると…」 「いえいえ、まだお若いですよ。 とても大学生の息子さんがいるようには 見えません」 私たちの会話が聞こえたのか、 向かいに座っている若い女のコが言う。 「ええっ?!大学生のお子さん?? 全然見えないですよお。 あ、じゃあ、もしかして新郎のことも 知ってるんですかあ?」 「うふふ、どうも有難う。 そうねえ、新郎のことも知ってるわよ。 昔はモテモテでね、とにかく凄かったの」
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