33話 帰還と変化

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 ロランは、「極度の眠りと『ヴァイス・ドラゴン』から与えられた6原色の液体を飲み干した時から始まった強烈な痛み」に耐えながら、首に掛けていたプレートに付与魔法で『7日間、10分毎にハイオーダー・ヒールを発動する』と刻印を行い、ベッドに横になるとそのまま深い眠りにつく。  ロランが眠り続ける間、ロランの体は飲み干した『6天竜の血』により、強烈な痛みを伴いながら、細胞レベルで強化と再構築が行われていた。  7日目の朝、ロランは目覚めた。7日間眠り続けていたため、「排出物と大量の汗」の臭いが混ざり、部屋の中は異臭で満ちていた。  ロランは起き上がると、予備の魔法鞄に「排出物と汗で汚れた『中身が(わら)の敷布団、掛け布団と枕』と服、下着」を入れ、生活魔法の『部屋清浄(ルームクリーン)』と『身体清浄(ボディクリーン)』の魔法を使用し、部屋と体を綺麗にした後で着替えを行う。  ロランが朝食を摂りに部屋のドアを開けると『クロス』が仁王立して護衛していた。  「クロス、護衛ありがとう…」    「…ロラン様…」 クロスは言葉に詰まる。ロランの身長が伸びて165cmとなっており、瞳が赤茶色に変化していたこと、何よりロランの体内に宿る魔力が桁違いの量になっていたからである。  「うん、どうしたのクロス?」  「何でもございません。王宮より3日後に開催される祝賀会の『招待状』が届いております。朝食後は至急、祝賀会用の正装をご用意をされてはいかがでしょうか?」  「クロスありがとう、そうするよ。後は大丈夫だから休んでおいて…」 と言うと、ロランは1階に降り朝食が用意されているテーブルの椅子に座る。  ロランを見たクレイグとソフィアは息を飲む。姿の変化もそうであるが、雰囲気が落ち着き、時より威厳のような圧が出されているからである。  「クレイグさん、ソフィア どうしたんです?お腹が空いているので食べますよ…」  「いや、ロラン君がより男前になったと思って見惚れていたよ」   一方、ソフィアは顔を赤らめモジモジしている。ロランは、そんなクレイグとソフィアをよそに久しぶりの食事に舌鼓(したづづみ)をうっていた。
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