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挙げ句の果てに、酔いの勢いに身を任せ、他のホステスの肩を何度も抱いた。
しかし、どんなに可愛い娘が寄り添ったとしても、どんなに愛想がよい会話を交わしても、失意のどん底にいる男の心は、到底満たされることはなかった。
それどころか、夢の天女に会いたい熱い想いは、真夏の入道雲のようにモクモクと膨らんだ。それは大宇宙誕生の瞬間と言われるビッグバンの如く、男の中には極高温に燃え滾る心宇宙が誕生した。
「あの写真の娘に、会ってみたい・・・・・・。いやいや、絶対に会う。絶対に・・・・・・」
男は静かに瞳を閉じると、また独り言を呟いていた。
そのとき男の閉じた瞼の奥では、白い天女がひらりひらりと舞っていた。
男は、まだ見ぬ夢の天女に恋してしまった。
* * * * * * *
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