<第一章> 夢の出会い(3)契約の恋人

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   男は、トワの火曜日の収入分を肩代わりすることで、専属契約を交わしたのだ。  それは『恋人契約』の成立である。  毎週火曜日の午後は、『二人だけの秘密クラブ』の時間。  何よりも大切な、宝石のようにキラキラと輝く一日となる。まさに『Ruby Tuesday』なのだ。  男は、交際の専属契約料として、トワの時間を買う。言い方を変えると、彼女の夢を実現させるために、資金援助をしながら交際することになる。  つまり、これこそがなのである。  ただし、この契約では、男女の肉体関係が目的ではないのだ。俗に言われる愛人契約などとは、全く違う。その意味合いも、実際の付き合い方も。  そして、結婚は前提にできないので、言うなれば「友だち以上恋人以下」の仲となる。        * * * * * * *      
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