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「マスター、起床時刻です」
「……あぁ、ありがとな。起きる」
落ち着きのある声に、俺はパチリと目が覚めた。今日は比較的熟睡できたお蔭で、寝起きだというのに体が軽い。
「先程確認したところ、ポータルは通常通り稼働しているようです」
「なら良かった。今日はちゃんとラガータまで行けそうだな」
寝巻に使用しているジャージを脱ぎ捨て、いつもの制服を羽織る。ネクタイを緩く結んで手袋をはめれば、着替えは終わりだ。部屋の隅に置かれている鏡で乱れた髪を整えて眼鏡をかける。
「朝食はどうしますか?」
「んー、面倒だから携帯食で済ます。早く行って帰ってこないと、リリアに怒られそうだからな」
「承知しました」
リベルタにそう言いながら、充電済みの剣と銃を忍ばせる。ラガータにリベリオンは存在しないとアスタが言っていたが、念のためだ。
「では、行きましょうか」
「あぁ」
最低限の準備をし、俺たちは部屋を出る。
ポータルは研究所の一階にあるため、まずは連絡通路から研究所に行かなければならない。俺の部屋から連絡通路はそう遠くないため、移動は楽だ。
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