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「ついでにオレはリベルタとゲームで勝負してみたい!」
「私とですか?」
「おう!なんたってオレの特技はゲームだ!もちろんアナログゲームだってその範疇にある。オレが最強と謳われるリベルタに勝てるものがあるとしたらゲームしかねぇ!」
「いくらお前でも無理だと思うが……」
目の奥に闘志を燃やす彼に、呆れ顔で呟く。すると、カルミアは得意げな顔で振り返った。
「やってみなくちゃ分からないだろ?さぁさぁ、ゲーム対決の始まりだー!」
「……あぁもう好きにしろ」
ぐいっと俺の手を引いたカルミアに、吐き捨てるように言った。もう断るのも面倒になってしまった。こうなったカルミアを止めるのは不可能に等しい。
……まぁ、彼の気遣いをありがたく受け取っておくことにしようか。
*
ラウンジに着くと、一番窓際の席に座らされた。ワイン色のふかふかの椅子に腰かけて、俺はゲーム道具を取りにいったカルミアを待っていた。
ラウンジには俺たちと同じようにゲームで遊ぶ人や、談笑する人でぽつぽつと席が埋まっている。いつもより人は少なく、皆準備をしているのかと少しだけ申し訳ない気持ちにもなってしまった。
「お待たせ!チェスボード探すのに時間かかっちまって」
「だから遅かったのか。自分でどこにしまったかくらい覚えておけよ」
「仕方ねぇだろ~オレの部屋はゲームで溢れかえっているんだからさ」
呆れながら返せば、カルミアは口を尖らせて答えた。彼の部屋には入ったことがないが、ゲーム機器やソフトの類で溢れかえっているのが用意に想像できる。
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