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「あぁ。お前も相手してやればどうだ?」
「私がですか?」
俺がそう言えば、リベルタは首を傾げるようにしながら俺を見つめ返す。悔しそうに唸っていたカルミアは、それを聞いていたのかガバッと勢いよく顔をあげた。
「ちくしょ~!悔しい!エルマの代わりにリベルタを倒してやる!」
「根気だけはあるんだな……」
再びメラメラと闘志の炎を燃やすカルミア。俺にも勝てなかったのにリベルタを倒そうだなんて、一体どこからそんな自信が湧いてくるのだろう。今の時代じゃ、人類が機械に勝つことなど不可能なのに。
「では、カルミア様。一局お相手願います」
「望むところだリベルタ!言っておくが、手加減なんていらないからな!」
「だってさリベルタ。全力で挑んでやれ」
「はい、了解ですマスター」
リベルタに席を譲り、俺はひじ掛け部分に寄りかかりながら二人の対局を観戦することにした。カルミアはテキパキと駒を箱に戻し、リベルタに白い駒のセットを渡す。
「よし、それじゃあゲームスタートだ!」
やる気満々のカルミアの声と共に、カルミア対リベルタのチェス勝負が始まった。
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