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カルミアは制服の内ポケットからとトランプを取り出し、リベルタに突きつける。
「次はポーカーで勝負だ!」
「分かりました、ポーカーですね」
「頭脳戦で勝てないなら運で勝負!ゲーム運に恵まれたオレならば勝てるに違いない!」
それをフラグと言うんだぞカルミア。
あえて口にしないで、俺はにんまりと笑ったカルミアを呆れた目で見つめていた。
「ルールは分かるよな?」
「はい、存じております」
「じゃ、エルマよろしく!」
「俺も強制参加かよ」
「審判頼むって言っただろ?」
「これじゃ審判ってよりただのディーラーだがな」
「いいじゃんいいじゃん!オレが勝ったらコーヒー奢ってやっから!」
「絶対ないだろうが、一応期待しとく」
俺は渋々トランプを受け取り、そう答える。箱から取り出し、よくカードをシャッフルさせながらカルミアに問う。
「あんま細かいルール知らないから単純なやつでいいか?」
「おう!五枚配ってオレらがチェンジする分、配り直してくれればいいから」
「オッケー」
所謂ポーカーの真似事のような遊びだが、俺たち学生には丁度いい。これで金品が動くわけでもないし、大切な物を賭けているわけでもない。だから、損をすることも別にないだろう。
あるとすれば、カルミアのプライドくらいだ。
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