Play a Game!

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「ふっふっふっ、オレの運を舐めるんじゃねぇぞ?」  わざとらしい笑い方で、カルミアは自身の手札にそっと手をかける。思わず引きそうになるほど、その表情は悪人面のように見えた。 「そらっ、フルハウスだ!」 「おぉー……」  バンッと音を立てながら、カルミアが手札を開示した。俺が思っていた以上に良い手札だったかもしれない。カルミアがしたり顔になるのも頷ける。まさかここまでとは思わず、俺は素直に感嘆の声を漏らしてしまった。 「さぁ来い、リベルタ!」  カルミアの挑発的な声に、リベルタはそっと静かにカードをオープンした。  綺麗に並んだ五個の赤ダイヤ。そのうえ連番だ。同じスートの連番で五枚が揃っている。つまりそれは―― 「ストレートフラッシュです」 「なにぃっ!?」 「あー、完敗だなこりゃ」  落ち着いた声で告げられたのは、リベルタの完全勝利だった。リベルタの手札を食い入るように見つめ、カルミアは目を見開いている。誰がどう見ても彼女の完璧な勝利で、俺は苦笑しながら呟いた。 「っ、悔しい!今のはたまたまだ、もう一回やるぞ!」 「まだ足掻くのかよ」 「一回じゃ分からないだろ?運は後から強者に味方するもんだぜ?」 「何言ってんのか分からんが、とりあえずもう一回やるのか?」 「あぁ、頼むぞ!」 「……リベルタももう一回いいか?」 「はい、構いません」  諦めの悪いカルミアに呆れつつ、俺はトランプを全て回収して再びシャッフルをする。果たしてカルミアに運が味方するのだろうか。少しだけ結果が気になりながら、俺は同じように二人にカードを配り始めた。
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