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なんだろうリアカーが軽くなった気がする。死体を池にいるピーちゃんとガーちゃんに投げ入れると踵を返した。後ろから水面を叩くような激しい音がするのを聞きながら意識はフワフワする。いつもと違うけど悪くはないこの感じ。
車に着くと座席下に転がっていた鞄を確保してから麓の駐車場へと走りだす。車をいつもの場所に停めてから走って家に帰った。
「ただいまー」
玄関を開けると母は男の人に押し倒されていた。
「お母さん大丈夫?」
「アラ美甘ちゃん、お帰りなさい」
男の人を押しのけて母が立ち上がる。首が歪に曲がった男はどうやら死んでいるようだ。
「誰?水道屋さんとか?」
「ガスの点検ですって。いきなり抱きついてくるから反射的にヤッちゃった。テヘっ」
「最近多いよねー」
私も何回か経験がある。母は近接肉弾戦が得意だからな・・・。母の豊満な胸の中で死ねて本望だろう。
「本物なの?」
たまに本当のガス屋さんに襲われることもある。
「違うと思うわ。普通の人って感じじゃなかったから」
「そうそう。そんなことはどうだっていいの!聞いてよお母さん」
今日の出来事を話す。今日もいつも通りの日常だ。
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