いつかの苦いラブレター

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 封筒の中から出てきたのは、もちろん便箋だった。  しかし、一つではない。形の微妙に違う二セットが、一つの封筒に入れられていたのだ。表面を内側にして折られており、文字は見えない。  それら二つは、明らかに色味が違った。  どう違うかと言うと、片方は真っ白な新品で、もう片方は年季の入った薄茶をしている。書かれた時期が違うと、紙自ら語っているようだった。  勝手な推理の元、始めに薄茶の方を読むことにした。
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