-第一章-

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「行かないし、今忙しいから。じゃ「そんな事私に言っていいと思ってるの!」 なんで急にヒステリックになる… ふぅーと煙を一口吐き出す 「私を誰だと「デザインナーの長谷川先生、【表】のね」 私を誰だと思っているのなんてそんな台詞はもう聞き飽きた 「つーかなんか勘違いしてる?私女なんだけど」 もう40近いのに猫なで声出されても困るしうざい 「べ、別に少し会ってくれればそれで、この前みたいに、」 「次会うのはバイトの打ち合わせの時。それ以外のヨウケンはほか当たってください。じゃ」 もう携帯はOFFにしとこ 携帯を元ある場所にしまい、最後の一口を吸い終わりタバコケースに吸い殻を入れる 「さて、やりますか」 作業室に行きそこでも鍵を閉める 春休み中には誰も来ないが集中してる時に邪魔されるのは嫌い 図面ケースに閉じ込めていたデザイン画を取り出し、机の上にバサっと広げる 基本ダークカラーを好む私は作る作品、衣装もダーク系が多い 鮮やかで可愛い雰囲気の画は苦手だし性に合わない 何枚か手に取り最終確認したところでパターン製作に取り掛かる 大学ではCADでパターン製作をすすめているが個人的にはやっぱり紙に鉛筆が好きだ そのためにはこの大きな作業台と仮着せが出来る大量なマネキンがある大学に来なきゃいけない 今日には形を決めて明日は日暮里に布の買い出し 忙しいなー でも、 「もうすぐだからね」 この子達を自分の手で仕上げるのは心底楽しい ーーーーー...
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