-第二章-

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始業式 先に入学式を済ませた一年生達はすでにステージの前でショーを今か今かと待っていた そんな彼らはステージの裏側でただいま起きている事など知る由もない ステージ裏ーーー 「照明スタンバイオッケー?!」 「音声担当ーったく、どこ行ったんだよ!」 それぞれ優と同じ科の人らが集まってアシスタントについていた それは喜んでやっているわけではなく… 単純に課題で点が足りなくて単位稼ぎだ 今回優が作った衣装は8体 大学が契約を結んでいるモデルが8人 そんな騒がしい周りなど気にする事なく優はモデル達に着せた衣装を手直ししていた 6体目、7体目と、どんどん手直しを済ませ、トリを飾る8体目をと周りを見渡した時、 「な、何よこれっ!」 衣装着替え室から声がした 「どうしたの?」 何があったんだと一応ドアをノックし中に入ってみれば、トリの衣装を着るはずのモデルがミニドレスの下着姿のまま固まっていた 「あなたデザインナーさんね?この衣装、なんか切られてるわよ!」 「なになに?どうしたの?」 その時ドアから由香も入ってきた 由香も単位が足りずにアシスタントになった一人だった 「あーなんか、衣装切られたっぽい。油断したわ」 「え?はっ?切られた?嘘でしょ?ちょっと先生呼んでくる!」 「や、先生呼んでもどうにもなら…」 言い終わらないうちにもう由香はドアの向こうに消えていた 「ふぅー…どうすっか」 静かに湧き上がる怒りをどうにか鎮めようとする 衣装を切り刻むとか、考えが低能すぎるし B級ドラマの見すぎじゃないの
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