-第一章-

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「頼むよ優、待てって‥なぁ!」 そして追いかけられてる まじ、めんどくさい てかこんな大都市の道端で叫ぶなんてバカじゃないかな 恥ずかしい追い越して見てくる奴らも目障りだ 後ろではまだ渉が必死に追いかけてくるのを横目に流し、ちょうど来たタクシーを捕まえた 渉が窓を叩くのに動揺したのか、タクシードライバーがなかなか車を出さない 「渋谷5丁目の〇〇マンションまでとりあえず出してください」 住むマンションの近場を告げ一言催促し、改めてタバコを咥える さっきは結局吸う気になれず捨てたからな アイツのせいでもったいない事した 後ろでは渉が何かを叫んでいたけどそんなの聞こえない てかなんでそんなに必死なわけ 付き合ってから1か月も経ってないし 別れなんてあっけないじゃん 一人の人間にここまで必死になれる事が不思議でしょうがない 「ふぁ‥」 欠伸しながら渉の連絡先をブロックし削除する また絡まれてもめんどくさいし とりあえず帰って寝るとするか
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