あの日、俺が捨てたもの

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しばらくして、数名の男子生徒がサッカーボールを持って玄関口から出て来た。 それに混じって、二人組の女子生徒が出てきた。 校内でよく見かける二人組だ。 「また来たな。初々しき後輩のお出ましだ」 渡部が二人組を見てにやついた。 二人組の女子はこちらを見て何か話している。 その中の一人は、俺をチラチラ見ては隣の女子の後ろに隠れたり出たり忙しない様子だった。 二人組が、俺たちの前にやってきた。 「先輩!また、こんなところでお昼ご飯ですか~?」 活発そうな子が話しかけてきた。 俺は、この二人の名前を知らない。 かといって、今更聞く気もない。
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