冬の抜け殻

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冬の抜け殻

学校で生きていくのは難しい。 教室にいると空気が詰まる。 閉じ込められているみたいで、なんだか次第に息苦しくなってくる気がする。 きっと多分、今。 雪が降っているせいもあって、白い圧迫感がさらに教室に積もり私を襲う。 私には自分以外の他の生徒が全員同じように見えた。 クルンと巻かれた前髪。丈の短いスカート。着崩した制服。型にハマった先生。スクールカーストで作られた学校社会。 誰にもピントが合わないこと、いつも冷えきった目で見ていた。 もちろんこんな考えを持たない生徒だっている。 でも、少なくとも私はこの教室で静かに居場所を失っていったのだ。 白い圧迫感を肩に積もらせながら。
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