キスなんてものは

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「女の子の友達同士でキスするのって、挨拶の意味しかないんだって。ねぇ、ーーくん僕らもしようか。」 「ーーくんの唇奪っちゃった。そんな怖い顔しないで?」 「ーーくんの唇柔らかいね。」 「ねぇ、もう一回しよ?」 俺の幼馴染は残酷だと何度思っただろう。それでも、お前と離れたくないと思う俺も諦めの悪い男だ。今日のことなんてお前にとって遊びなんだろう。 もう一回なんてものは存在しない。 俺は知っている。お前のその顔。 俺を試すその顔を。 自分の物が壊れていないか。まだ耐えられるか。 寂しがり屋なくせに甘えれる場所は選ぶお前。 俺は目の前にいる男の胸ぐらを掴み、引き寄せ激しいキスをした。 今日の槍に塗られた毒は酷く甘い苦く、俺の心の臓を黒く染めた。
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