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「そんなに好きなら告白したらいいじゃん」
「フラれたらどうすんのさぁ・・・」
「絶対フラれないよ。あんた可愛いもん」
宮っちのカッコよさを未だにわかってくれない美咲は、ニヤニヤして私を横目で見た。
まだ少し陽の光が強い夕方、肌寒くもあり、心地よさもあるベランダ。
茶色く染めた美咲の傷んだ髪が、キラキラと光って眩しい。
ニヤニヤしていても、美咲の大人っぽくて綺麗さは劣らない。
だから、そんな人から可愛いとか言われても全く説得力がない。
「彼氏いるから、そんなこと言えるんだって」
「彼氏関係ないでしょ。いなくても言えるよ」
「それに付き合いたいわけじゃないもん」
「は?宮田と付き合いたくないの?」
私の発言に目を見開いて、呆れた顔をする美咲。
そんな表情まで思わず見惚れる。
ちょうどスカートをフワリと浮かすような風が吹き、捲れないように手で押さえた。
スカートと一緒に乱れた髪を手櫛で直す美咲の姿に思わずドキッとする。
いちいち綺麗すぎて、目のやり場に困る。
伏し目がちに「うん、片思いが楽しいし」と答えた。
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