第三話

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神谷中尉と入れ違いに、今度はうちが部屋の中へ入る。 御膳は既に片付けられていて、蚊帳(かや)が吊ってあった。 その中の、並んで敷かれた二組の蒲団が、うちの目に飛び込んできた。 そのとたん、わたしの湯で火照(ほて)った顔が一気に青ざめた。 窓際に置かれた椅子に腰かけて、煙草を吹かしていた間宮中尉が平然と云った。 「手紙にはあがぁに書かんと、親父さん、わりゃぁ寄こしてくれんじゃろう」
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