第四話

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蚊帳が小さいため、間宮中尉はわたしが思っていたよりもずっとすぐ(わき)で横になっていた。 暗闇の中で中尉と目が合う。 彼もまだ眠っていなかった。 また、声が聞こえてきた。 「・・・ぁああ・・ぅうん・・・はあぁ・・・」 ようやく、うちは気づいた。 ……あがぁな声は……そがぁな声は…… うちは、あわてて中尉から視線を外した。 そして、また寝返りを打って彼に背を向けようとした。 すると、中尉は強い力でわたしを引き寄せた。 あっという間に、うちは間宮中尉の腕の中にいた。 困惑しきって混乱状態になったうちは、必死にバタバタもがいて、なんとか逃れようとした。 でも、大きな体躯の中尉には太刀打ちできず、ただ身につけていた寝巻きの(すそ)が乱れ、襟元が緩んだだけだった。 中尉はうちの上に覆いかぶさった。 耳元に彼の息がかかる。 「……大人しゅうしてくれんか。男に恥、かかせんでくれんなや」 甘い、ささやくような声だった。
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