2「さっそく汚い話」

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 まずは、「キャア!」の説明だ。説明と言っても、この叫びはそのままの意味でとらえてもらっても構わない。 「便器が真っ赤だから」のキャア! である。説明する価値もない。  次に、「便器が……真っ赤だ!」の説明に入る。  ここで、私にはこの文章を読んでいる方に謝らなければいけない事がある。私はこの文章の中で、さも私がこの時生まれて初めて痔を経験したかのように文章を綴っているが、実はそうではない。この「痔」(血が出ておられるので、正確には「切れ痔」である)という症状だが、私は今までの人生で何度か経験済みだ。そう、私「張本青」は、ずっと痔持ちだったのだ。ニヤニヤしながら小説を書いている私の肛門には、常に「痔」が滞在していたのだ。なんだか、私が今まで書いてきた小説達が突然色あせて見える。痔というものは恐ろしい。  では、その痔持ちの私がなぜ「便器が……真っ赤だ!」とサスペンス映画で人が殺されたシーンのような調子で、自らの肛門から放たれた血を確認したのか。理由は単純で、「程度が甚だしかったから」、ただ一つだ。     
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