第二話

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いつの間にか、廣子が歌を口ずさんでいる。 「……えらぁ上手じゃのう」 わしは感心して思わず云った。 高く澄んだ、きれいな歌声だった。 廣子はパッとわしの方を向き、 「女学校の卒業式では代表で独唱したんよ。歌だけはうち、お姉ちゃんに負けんのん」 と、誇らしげに云った。
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