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「……で、貴様はどがぁ答えたんじゃ」
わしはニヤッと笑って訊いた。
「戦に行かぬ女には関係ない、そないなこと考えんな、と云うた」
神谷は苦虫を噛み潰したような顔で答えた。
「まぁ、そう云わんと仕方なかろうな」
わしは苦笑しながら、奴にもう一杯注いでやった。
「貴様の婚約者は大人しそうやから、そういうこと訊かへんやろ。うちの薫子みたいに、気ぃ強うて頭でっかちなのも考えもんや」
神谷はそう云って、また一気に呑み干した。
「大金持ちの一人娘を、親の反対押し切ってかっ攫ったくせに、今更なに云うとるんじゃ」
相手の武藤 薫子の家へ婿養子に入ることになったとは云え、本意を完遂した奴に対して、わしは一笑に付した。
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